小野市は市内の随所に貴重な文化財や歴史資産を観ることができます。例えば、7世紀後半頃に建立された古代寺院跡「広渡廃寺跡歴史公園」。史跡公園として整備復元されたその姿に、往時を偲ぶことができます。
また、江戸時代、小野藩一柳家の陣屋跡に建つ「好古館」は、歴史や文化、芸能まで、小野市に関するあらゆる資料を展示、保管しています。
そして、この地の歴史を今に伝える播磨屈指の名刹「浄土寺」は、歴史や文化のシンボルとして人々に愛されてきました。奈良の東大寺とゆかりが深く、浄土堂や阿弥陀如来、両脇侍立像は国宝に指定されています。
さぁ、このまちの歴史をひも解きながら、昔の面影にゆっくり浸ってみましょう。
飛鳥時代
広渡廃寺跡歴史公園
7世紀後半に建立された古代寺院跡で、 東西両塔、金堂、講堂などが確認され、 奈良の薬師寺と同じ伽藍配置で あったことが明らかとなっています。 現在、史跡公園として整備、復元され、 基壇とよばれる建物の基礎や 縮尺1/20の伽藍縮小模型などにより 往時の姿を偲ぶことができます。
鎌倉時代
国宝・浄土寺浄土堂
浄土寺は、鎌倉時代、建久3年(1192)に、源平合戦の兵火により
焼失した東大寺を再建するための責任者(勧進職)となった重源上人が建立した寺院です。浄土堂は、大仏様という技法を全国で唯一伝える貴重なお堂です。本瓦葺、宝形造の建物で、屋根の勾配が直線的に下り、外観は低く見えますが、内部に入るとその広さに驚かされます。
柱間は6mと広く、天井を張らない化粧屋根裏や太い柱に挿された挿肘木で虹梁を支えているのが特徴です。また、西側の壁部は蔀戸となり、中央の円形須弥壇上に配された本尊の阿弥陀如来及び両脇侍立像に西日が差し込み、来迎の姿を表現する構造となっています。
信仰の場であるとともに、自然の光を使った芸術、
オブジェともいえます。
国宝・阿弥陀如来及び両脇侍
(観音・勢至)立像
名仏師の快慶の作で、浄土堂の本尊となる巨像です。衣文や長く延びた指などに中国、宋の様式が感じられます。
西の蔀戸から夕日が差し込むとその光が本尊を赤く染めます。
さらに足元の雲座あたりをかすませ、本尊が雲に乗って浮かんでいるように見えます。まさに西方浄土の姿を人々に伝えるために造られたものといえます。
室町時代
夢の森公園
金鑵城遺跡広場
青野ヶ原台地上に築かれた中世の山城で、 城主は播磨守護職であった赤松氏の 有力な家臣中村氏とされています。 城の周囲を囲む土塁や木橋、門、櫓などが 復元され、往時の姿を知ることができます。 また、弥生時代には、高地性集落が営まれ、 6棟の竪穴住居も検出されています。
江戸時代
好古館(歴史博物館)
柳風亭
好古館は、小野藩一柳家の陣屋跡にたっており、小野市の歴史、芸能、風土に関する資料など収蔵、展示しています。また実体験コーナーでは、昔の玩具で遊ぶことができ、ビデオコーナーでは、小野の歴史と風土を映像により紹介しています。
柳風亭は好古館の敷地内にある茶室です。
ここでは、茶道を通して日本の純粋な伝統文化にふれ、わび、さびといった閑寂で潤いのある美が堪能できます。
茶庭は、木、竹、石のそれ本来が持つ自然な姿が見事に調和し、
しっとりとした風情が感じられます。
小野市内には現在44箇所の名所、旧跡に観光案内標柱が立てられています。標柱にはその地の歴史的な背景が説明されています。
国宝浄土寺、広渡廃寺跡歴史公園、金鑵城遺跡広場、好古館の魅力あふれる観光スポットを案内します。ガイド費用は無料。2名以上のグループより申込み受付。ご利用希望の方は1週間前までに小野市観光協会(TEL.0794‐63‐1000)にお申込みください。